この度つくば市で運営している galley neo_/senshu にて3月22日(金)より瀧本泰士(タキモトタイシ)個展「TRACE」を開催いたします。
日本画の枠を超え独自の視点で表現を試み続けている瀧本は2023年に参加した雲ノ平アーティスト・イン・レジデンスプログラム 以降、各地域で採取した水を使い墨をすり制作に使い始めました。これまでも瀧本は山をモチーフに制作をしていましたが、今個展 で展示される「TRACE」シリーズは自ら歩いた山の道をトレースし地図を作り、繋げ作品としています。墨や水という自然物と地図 という自然に対する人間の行動が画面(地図)の中に共存しながら、様々な景色が鑑賞者の心象につながります。 この貴重な機会に是非ご高覧頂きたく、ご案内申し上げます。
【会 期】2024年3月22日(金)- 4月7日(日)
【休 廊】月火水木
【時 間】13:00-17:00
【場 所】gallery neo_/ Senshu
〒305-0047 茨城県つくば市千現1丁目23-4マイコーポ二の宮101
https://goo.gl/maps/eM96mwgMjcfLFvdW6
<作家ステートメント>
2023年8月20日、長野県大町市と北アルプス黒部川源流を繋ぐ登山道「伊藤新道」が40年ぶりに復活した。
このニュースは、 日本の登山界において大きな話題となり、様々なメディアで取り上げられた。しかし、北アルプスの登山道は自然災害や管理体制の
不安定さから荒廃が進んでおり、登山道ができることが決してプラスの側面だけではないことが想像できる。
道は常に自然の力と人々の文化 の歴史を内包して、更新されている。
本展覧会の「TRACE」シリーズは、実際に山に登って、川の水や雪溶け水で墨を摺り、歩いたエリアの地図を和紙にトレースしたものである。
墨は、水が大地に染み込むように和紙の表から裏まで染み込み、自然現象と作者の手作業の結果が形となる。また、裏を作品とすることで、表面や境界の層を絵画として視覚化する。
「TRACE」は絵画では下図をなぞること、登山用語では雪山を歩いた踏み跡のことを意味する。
自然現象と人々の生活や文化の歴史の蓄積の記号として、本作品群を提示する。地図は歩いた分だけ広げることができ、 最終的に地球全体の反転した地図を作るという思考実験のもと制作する。
瀧本泰士 (Taishi Takimoto)
<略歴>
1993年 宮崎県出身
2016年 筑波大学芸術専門学群美術専攻日本画コース 卒業
2018年 筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術専攻日本画領域 修了
<主な展示>
2017年 第3回石本正日本画大賞展 準大賞(石正美術館/島根)
2018年
ー19年 レスポワール展瀧本泰士個展(銀座スルガ台画廊/東京)
2021年 トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞展(豊橋市美術博物館/愛知)
<滞在制作> 2021年 中之条ビエンナーレ2021(岩本稚蚕飼育所/群馬)
2023年 雲ノ平アーティスト・イン・レジデンスプログラム2023(雲ノ平山荘/富山)
<助成>
2019年 河野文化財団 助成事業
2020年 河野文化財団 助成事業
2022年 吉野石膏美術振興財団 若手日本画家に対する展覧会助成
<収蔵>
筑波大学
石正美術館
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